紙ベースで情報管理をしていたり、エクセルなどでの属人的なデータ管理をしているような会社はまだまだあります。そのような会社がIT化、システム化に取り込もうとする際、どこから手を付けたらよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

企業が新たな取り組みをはじめるときの流れとして、経営層やシステム構築に関わる側からのトップダウン型と現場から課題を解決していくボトムアップ型がありますが、実際にはこのいずれかではなく、ハイブリッド型で取り組むことが大切です。なぜなら、WEBシステムの導入とその活用による業務改善は、経営層も現場も一体となって取り組むべきことだからです。

たとえば、上からの押しつけで一方的に従業員を管理しようとすれば、それまで自由に(ルーズに)働いてきた現場は反発します。それは、実際には業務効率が向上するとしても、それまでそれなりに業務をこなしてきた人にとっては「今までのやり方」を変えられることへの拒否反応の方が大きくなってしまうからです。

逆にボトムダウン型で現場からの改善策を期待しても、何も進展しないのが現実です。現場といってもさまざまな人がいるので意見がまとまらないばかりか、そもそも現場の長となっている層が変化を望まないことも多いので、本当に改善を望んでいる若手の意見が反映されないこともあります。

会社の強い意志のもとで、現場が自らの困りゴトを解決していく。

やはり、中小規模の会社においては経営者の考えが重要です。アナログ中心の業務を本気でデジタルシフトすることは経営者の決断も必要なので、自身の覚悟を決める意味でも明確に全社に意志を示すといいでしょう。その上でプロジェクトを立ち上げて、現場の意見を取り入れながら、多くの社員を巻き込んで進めていきます。より良い会社、働きやすい職場をつくる取り組みでも、現状維持を好む抵抗勢力は必ずいるので、そうした人たちの協力を得るためにも、トップの意思表示は重要です。

業務改善の取り組みは継続することで成果が現れます。「やらせる、やらされる」というマインドでは成功は難しく、同じ目標に向かってさまざまな立場の人がそれぞれの役割を果たしながら取り組んでいく必要があります。WEBシステムは全社を共通のプラットフォームでつなぐことができるので、業務改善はもちろんこれからの会社運営には欠かせない仕組みです。

初めての取り組みには失敗もあります。業務改善は容易に解決できる課題ではなく、試行錯誤を繰り返しながらの取り組みとなります。だからこそ「経営者の強い意志」と「現場のトライ&エラー」の両輪で、粘り強くWEBシステムの導入、そしてシステムを活用した業務改善に取り組んでもらたいと思います。