令和3年版 情報通信白書の「第1章 デジタル化の現状と課題」を眺めていて、【主要国におけるICT人材の配置】という小さな図表に目が留まりました。
図を見ると、日本ではITに関わる人材が一般の企業ではなくIT系の企業に多く配置されていることがわかります。たしかに、日本の小さな会社って、ざっくりいうと営業、事務、経理、現場…で構成されていているように感じます。デジタルはその中で得意な人が兼務する(やらされる)、みたいな。
一般の企業はデジタル人材を配置したいができないのか、そもそも配置する気がないのか。その点についてはこの資料からは分かりませんが、私たちが普段接している小さな会社においては、あえてデジタル人材を積極的に配置しようという空気は感じられないのが実情です。
テレアポと足で稼ぐのが正しい営業スタイル?
そういえば、10年ほど前、売上が伸び悩んでいるリフォーム会社の社長さんから営業マンを採用したいと相談を受けたとき、「思うように売れない営業マンを増員するより、Webやネットマーケに強い人材を入れた方が効率的に売れるサイクルをつくれると思いますよ」と伝えたことを思い出しました。当時、昭和たたき上げの経営者には理解を得られませんでしたが、今でもローカルの小さな会社を見ていると、あまり状況は変わっていないように感じます。
コロナ禍でずいぶんデジタル化の空気はつくられましたが、地方の小さな会社ではまだまだ大きな壁、根深い課題があります。そうした会社には、小さな課題解決をコツコツとお手伝いしながら、少しずつ壁を壊し溝を埋めていく私たちのような存在が必要なのではないかと感じています。