WEBシステムを導入するにあたり「顧客管理」は業務改善に向けての一丁目一番地だと考えています。ところが、そもそも「顧客管理」なに?という認識が人によってバラバラなので、「顧客管理」の重要性を話し合う際に議論がかみ合わないことがあります。このブログで「顧客管理」の定義づけをすることは畏れ多いですが、今さら「顧客管理ってなんですか?」と聞けない人のために、私たちが大切だと考える「顧客管理」のポイントをまとめてみます。

顧客管理の認識について

  • 顧客情報なら営業担当が各自のエクセルでまとめている
  • 経理関係の顧客情報は会計ソフトに登録してあるから大丈夫
  • 顧客との過去の取引は全部ファイルに綴じてまとめてある

これらは本当に顧客管理といえるでしょうか?

大切な顧客情報は電話番号や住所だけではありません。

そもそもの問題は顧客の何を管理するのかということです。「顧客情報なら営業担当が各自のエクセルでまとめているし、経理関係の情報は会計ソフトに登録してあるから大丈夫。過去の取引は全部ファイルに綴じてまとめてある」。という話をよく聞きます。つまり、「顧客の連絡先=顧客情報」という認識の企業がまだまだ多いということです。顧客情報の用途が、日々の営業活動や新規開拓のための顧客リスト、年賀状やお中元・お歳暮の送り先や、請求書の発送くらいしか思いつかないのです。

顧客管理は“顧客との関係性を深める”の取り組みです。

では、何のために顧客の情報を管理するのか。それは顧客との関係性を築き、深めていくためです。そのためには当然、所在地や連絡先などの基本情報も必要ですが、さらに詳細かつ最新の情報を会社全体で共有する必要があります。

顧客とどのような関係性を築きたいかは会社によってさまざまです。顧客管理ツールを提供しているシステムベンダーが語るような“あるべき関係”というものはなく、むしろ個々の企業が自分たちで考えるべき課題です。必ずしも、売上げを向上させるための顧客管理である必要はありません。あくまでも、自社が求める関係性を築くためにはどのような情報を管理しておくべきか、その視点をもつことこそが大切であると私たちは考えています。

関係性の構築は売上げアップ以上の効果をもたらします。

顧客の関係性を深めるとどうなるか。それはまさに、自社が求める“ありたい姿”に近づいていくのだと思います。もちろん、関係性の構築という取り組みは広告施策やイベント開催などの即効性のある成果とは異なり時間を要します。最終的なゴールのない取り組みであるともいえるかもしれません。もちろん、ゴールがないからといってダラダラと続ければよいといっているわけではありません。PDCAサイクルを回すことは当然のことです。

一方で、取り組みを継続する過程ではある変化が見られます。例えば、顧客のことをより考えるようになることで社員の仕事への姿勢が変わったり、顧客との関係性が深まることでクレームが減ったり、「いい会社だね」と言ってもらえる機会が増えたりすることもあるでしょう。結果的に、売上げや利益が上がり、顧客満足が高まることで顧客のLTV(ライフ タイム バリュー)が向上することに繋がれば、これほど嬉しいことはありません。

自社にあった顧客管理が継続と成功の秘訣です。

世の中では、CRM、SFA、マーケティングオートメーション、リードナーチャリング、エンゲージメントマネジメント、ライフタイムバリュー……と横文字やカタカナのマーケティング用語が当たり前のように飛び交っている一方で、古くからある中小・零細企業では「年賀状送り先一覧」や「請求先一覧」のような顧客管理に留まっているのが現実です。いたずらに時流に乗ればいいというものではありませんが、この先も事業を継続していく意志があるならばシステムを活用して経営を効率化させていくことは避けて通ることはできないでしょう。大企業や先進のIT企業と同じ方法を採用する必要はありません。自社にあったWEBシステムを上手に取り入れて、顧客のと関係性を築き深める顧客管理をめざしてください。