働き方改革を進める前に、働き方そのものを把握することが大事。
大企業が先陣を切る形であらゆる産業に浸透しつつある「働き方改革」。いまや残業時間の削減、有休消化率のアップなどの取り組みは、業界を問わず企業にとって当たり前の取り組みとなってきています。とりわけ慢性的な人手不足に悩む中小企業にとって、優秀な人材を確保するという観点からも、働き方改革は待ったなしの状況と言えるかもしれません。
ただ、働き方改革を進める以前の問題として、一体どれだけの会社が「そもそもの働き方」をきちんと把握しているでしょうか。1日の仕事の流れはどうなっているのか、どんな作業にどれだけの時間を要しているのかなど、社員一人ひとりの働き方を細かく把握している経営者は、おそらくほとんどいないと思います。従業員が数名規模の会社であればなんとか目が行き届いたとしても、社員が数十名、数百名・・・と増えていけば、すべてを細かくチェックするのは至難の業です。
社員一人ひとりの業務を把握できれば、自然と課題が浮き彫りに。
そこで検討したいのが、クラウドサービスを活用した「仕事の見える化」です。社員一人ひとりのTODOリストをクラウド上で管理し、誰がどんな業務を行い、それぞれの作業にどれだけの時間を要しているのかを集計していきます。こうすることで、普段、当たり前の流れになっている仕事の改善点が、徐々に浮き彫りになっていくのです。
例えば、いつも熱心に営業活動をしている社員の1日の行動を細かく分析してみます。すると、実はかなりの時間が移動に使われており、得意先との商談時間はごくわずかだった・・・ということが見えてきたりします。また、特定の社員に業務が集中する一方で、手の空いた社員にうまく業務が振り分けられておらず、無駄な残業代が発生していた・・・といったことも分かってきます。こうした問題点は、目の前の仕事をただこなしているだけでは、なかなかあぶり出されてきません。社員一人ひとりの作業をデータで管理し、グラフや図などを用いて「見える化」する。そんな「働き方の正しい把握」こそが、あなたの会社の「働き方改革」の第一歩になるはずです。