SDGsに積極的な企業は54.5%
持続可能な世界を実現するための目標・ターゲットを定めたSDGsに取り組む企業が増加し続けており、株式会社帝国データバンクによる調査では調査対象企業のうち過去最高となる54.5%がSDGsに積極的であると回答しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000905.000043465.html
SDGs導入の効果
同調査の中で、約7割の企業がSDGsに取り組んだ効果を実感していると回答しています。
実感することができた主な効果
中でも下記のアンケート結果にあるように、企業イメージや従業員のモチベーションの向上、採用活動への影響といった効果が大きいようです。
SDGsに取り組むことは、 CSR(企業の社会的責任)の一環として世間的にも認められており、従業員や就活生にも良い影響を与えているようです。
ウェブアクセシビリティに取り組む意義
企業がSDGsへの取組みを表明することが一般的になってきている流れを受けて、 SDGsの他にも新しい社会的貢献活動に注目が集まっています。
ESG (環境・社会・ガバナンス)
持続可能な世界実現のために、企業の長期的成長戦略に、環境・社会・ガバナンスの観点を取り入れることです。
DEI (多様性・公平性・包括性)
あらゆる人が公平に扱われ、尊重され、組織や社会において包括される状態を目指すことです。
そしてESGやDEIと同様に、企業の社会的貢献活動として注目を集めているのが【ウェブアクセシビリティ】です。
ウェブアクセシビリティとは?
ウェブアクセシビリティとは「全ての人に平等なウェブサイトを実現」することを目的とした考え方で、日本では2024年4月に障害者差別解消法が改正され、民間企業でも「合理的配慮の提供」が義務化されました。
ウェブアクセシビリティの「全ての人が平等にWEBサイトを利用できる」という考え方は、SDGs目標10を達成するための有効な手段であると考えられます。
<10-2>
「2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的 、政治的に取り残されないようにすすめる。」
また、ESGやDEIの考え方にも沿うものでもあり、これからの世界の流れとして各企業にはCSRの一環としてウェブアクセシビリティを意識していくことが求められることは間違いないでしょう。
日本でも注目を浴び始めているウェブアクセシビリティ
総務省情報流通行政局の調査資料(令和4年):PDFファイル によると日本におけるウェブアクセシビリティ規格である「JIS X 8341 3 :2016」に「準拠」しているWEBサイトを運営する企業は、全体の4.5 %のみです。
これはウェブアクセシビリティ規格に準拠するまでのハードルの高さが影響していると考えられます。また、規格を満たしているかに関係なく、ウェブアクセシビリティ対応への取組みを行っている企業は全体の25.6%でした。
一方で、ウェブアクセシビリティについて知らないと回答した企業は52.3%と半数以上の企業が認識していない結果となっていますが、2024年令和6年4月の障害者差別解消法改正によって、現在はウェブアクセシビリティへの認知度はさらに上昇していると予想されます。
いま中小企業がウェブアクセシビリティに取り組むべき理由
SDGsやウェブアクセシビリティ対応は大企業がすること?
SDGsなどの社会的貢献活動は経営に余裕がある大手企業が取り組むもので、中小企業にはそんな余裕がないという考え方がまだまだ一般的のようです。実際、ウェブアクセシビリティに関して積極的に取組みを行っているのは自治体や公的機関、そして大手企業が中心です。
中小企業がSDGsに積極的ではない理由としては、
・中小零細企業は人手不足など目先の問題を解決することで手一杯
・範囲が広すぎて取り組みが見えない
・今の経済環境において中小企業には荷が重すぎる
・人手や資金などの観点から取り組むことが難しい
・中小零細企業がいかに取り組めばよいのかが分からない
・それほどの効果は得られないと考えている
このような回答が紹介されています。
まとめると「予算や人員の余裕がない」「するべきことがあいまい」「効果が不明」といった理由が中心のようで、ウェブアクセシビリティ対応でも同じような理由で対応を見送っている企業が多いのではないでしょうか。
でも、SDGsに比べて、ウェブアクセシビリティは小さく始めることができて、具体的な効果も期待できるため、中小企業でも取り組むべき施策なのです!
注目度が高まっている今だからこそ、 ウェブアクセシビリティ対応を始めてみませんか?
SDGsよりも現実的で即効性が期待できるウェブアクセシビリティ対応
SDGsはどちらかといえば長期的な経営戦略に組み込まれるものであり、具体性やその効果が見えにくい傾向にあるため、上辺だけの目標と勘違いされがちです。
一方でウェブアクセシビリティに関しては、主な作業がWEBサイトの改修、そして運営の見直しであるため、やるべき対策が明確でありその効果も具体的かつすぐに現れやすいことが特徴です。
SDGs | ウェブアクセシビリティ | |
---|---|---|
目 標 | 計測しづらい | 明 確 |
活動内容 | 大規模であいまい | 小規模で具体的 |
効 果 | 計測しづらい | 即効性&計測可能 |
費 用 | 大規模であいまい | 可能な範囲ではじめられる |
また、WEBサイトのウェブアクセシビリティ対応度合いをチェックするツールが開発されており、自動的に評価することができます。
そして「JIS X 8341 3 :2016」などのウェブアクセシビリティガイドラインには、ウェブアクセシビリティ対応度を評価するための検査項目が定められています。
これらを活用することで、自社WEBサイトがどれだけウェブアクセシビリティに対応しているかを確認することができ、その具体的な取組み状況を企業として発信することが可能です。
予算やスケジュールは、自社都合に合わせられる
ウェブアクセシビリティのガイドラインが規定されてはいるものの、法律上では各WEBサイトがどの程度ウェブアクセシビリティに対応するべきかという規制がありません。従って、各企業はそれぞれの予算や人員状況に合わせて、可能な範囲でウェブアクセシビリティ対応を始めることができます。
ウェブアクセシビリティ対応で期待できる具体的な効果
主な効果
- 企業やブランドイメージの向上
- SEO(検索エンジン最適化)への効果
- 訴訟リスク、トラブルの低減
など
1.企業・ブランドイメージの向上
SDGsやESG・DEIへの取組みの一環として評価され、CSR(企業の社会的責任)を果たす企業としてイメージ向上が期待できます。
2.SEO(検索エンジン最適化)への効果
ウェブアクセシビリティ対応が充実したWEBサイトは、「使いやすい」「わかりやすい」WEBサイトと評価することができます。これはSEO(検索エンジン最適化)におけるWEBサイトの評価を高くすることにつながります。そして高齢者や障がい者にとっても利用しやすいWEBサイトとなるため、アクセス数の増加も期待できます。
3.訴訟リスクやトラブルの低減
訴訟社会と言われる欧米では、WEBサイトのアクセシビリティに関する訴訟が増加しており、アメリカでは、2015年には15件だった関連訴訟の件数が2021年には4,195件まで増加しています。現時点では日本ではウェブアクセシビリティに関連する大きな訴訟は発生していないようですが、日本企業が海外で訴えられたり、現地法人が訴訟対象になることも考えられます。
また日本でも同様の訴訟が発生する可能性も十分にあり得るため、あらかじめの対応が求められています。
シドニーオリンピック公式サイトがウェブアクセシビリティに対応していないことで、視覚障がい者が利用できないとして訴訟に発展。
ドミノピザ公式サイトにて、視覚障がいの男性がピザ注文時のクーポンが利用できず裁判に。ウェブアクセシビリティ対応と和解金4,000ドルの支払いが命じられた。
まとめ:いま中小企業でもウェブアクセシビリティに取り組むべき理由
取組むべき理由
- 可能な予算内で段階的にスタートできる
- 具体的な計画を立てることができる
- 対策の効果を具体的に確認できる
- 企業イメージアップが期待できる
- SEO効果、アクセスアップが期待できる
- 訴訟リスク、トラブルを低減できる
ウェブアクセシビリティ対応、何から始めたら良いか分からない場合はご相談ください
ウェブアクセシビリティ対応は中小企業でもはじめることができます。しかし実際には用語が難しかったり、具体的に何をするべきかといった「ウェブアクセシビリティのはじめ方」がわからないケースがほとんどです。
ウェブアクセシビリティ対応は、方針を決めて施策内容を決めたら、その後はルーチン化するだけのシンプルなものです。
ちらし屋ドットコムは、ウェブアクセシビリティの土台作りを小さく始めるお手伝いをしています。これからウェブアクセシビリティをはじめたいと検討中の企業様のお力になりますので、ぜひご相談ください。