「Google WorkspaceとMicrosoft 365、結局どちらを選べばいいのか」。私たちは、Google Workspaceの導入支援の中で、この質問をたびたび受けます。
結論からお伝えします。ブラウザだけで作業が完結する軽さとコストの安さを重視するならGoogle Workspace、使い慣れたOfficeソフトとの互換性やデータの国内保管を重視するならMicrosoft 365が向いています。ただし、この結論だけでは自社にとっての正解は見えてきません。この記事では、料金・データ保存場所という客観的な比較軸と、実際にお客様からいただく相談で使っている判断基準をあわせて解説します。
Google WorkspaceとMicrosoft 365の基本を比較する
まず、両サービスの基本的な違いを比較表で整理しましょう。ここでは、中小企業が最初に検討することが多い標準プラン同士を並べています。

| Google Workspace(Business Standard) | Microsoft 365(Business Standard) | |
|---|---|---|
| 月額(1ユーザー・年間契約/税抜) | 1,600円 | 3,523円 |
| ストレージ容量 | 2TB | 1TB(OneDriveベース) |
| メールボックス容量 | Gmail込みでストレージ枠を共有 | プライマリ100GB+アーカイブ50GB |
| 作業の中心 | ブラウザ(Chrome等) | デスクトップアプリ+クラウド |
| データの保存地域 | 米国・ヨーロッパ・指定なしから選択(日本は選択肢になし) | 契約時に既定地域が決定(日本国内のデータセンターあり) |
料金はGoogle Workspace公式サイトとMicrosoft 365公式サイトで2026年7月時点に確認した価格です。プラン名は同じ「Business Standard」でも、思想がまったく異なる点に注意してください。
Google Workspaceは、ブラウザさえあれば端末を選ばずに同じ環境で作業できる設計です。一方Microsoft 365は、使い慣れたデスクトップアプリを主軸に、クラウドでのファイル共有機能を組み合わせた設計になっています。この設計思想の違いが、次に説明する両者の強みに直結します。
Google Workspaceの強み|ブラウザ完結だから拠点を選ばない
Google Workspaceの一番の特徴は、作業環境がブラウザベースで完結することです。
実際にお客様からいただく声として印象に残っているのが、外出先での作業やテレワーク環境の整備のしやすさです。基本的にPCへアプリをインストールしないため、動作が軽い点も好評です。Gmailはメールソフトが重くなる悩みとも無縁で、迷惑メール対策の精度が高いのも日常業務での安心材料になっています。
さらに、Googleドライブの活用が進むほど、PCにデータを保存する場面自体が減っていきます。その結果、PCの入れ替えや故障が発生しても、別の端末からログインすればすぐに作業環境が復旧できる点は見落とされがちな利点。地味ですが、実務への影響は小さくありません。
Google公式ヘルプによると、GoogleドライブにアップロードしたWord・Excel・PowerPointファイルは、そのままGoogleドキュメント・スプレッドシート・スライドで開いて編集できます。ただし、複雑な書式は変換時に崩れる場合があるため、完全な互換とまでは言い切れません。エクセルやパワーポイントと同等の機能が使え、互換性も年々高まっているというのが実感です。
Google Workspaceでできることの全体像はできることの記事でまとめています。
Microsoft 365の強み|Office資産とデータの国内保管
一方のMicrosoft 365は、長年使われてきたOffice資産との親和性が最大の強みです。
WordやExcelを使い慣れた社員が多い会社では、操作を一から覚え直す必要がありません。高度な関数やマクロ、複雑なレイアウトの資料など、専門性の高い個人作業をOfficeの機能に依存して行ってきた会社ほど、移行のハードルは高くなります。
もう一つ見逃せないのが、データの保存場所です。Google Workspaceのデータリージョン機能ではGoogle Workspace公式ヘルプの通り、保存場所として選べるのは「米国」「ヨーロッパ」「指定しない」の3つのみで、日本は選択肢に含まれません。しかもこの機能自体、Business Starterでは使えず、Business Standard以上が対象です。
対してMicrosoft 365は、契約時にテナントの既定データ保存地域が決まる仕組みで、Microsoft公式ドキュメントによると日本国内にもデータセンターが用意されています。地域ごとにデータ保存先を細かく指定できるMulti-Geo機能は主に大企業向けの追加機能ですが、標準の契約でも日本国内でのデータ保存を選びやすい設計です。取引先からデータの保存場所を尋ねられる機会が多い業種は、この点を比較材料に入れてください。
価格で比較する|2026年7月の改定でコスト差が広がった
NTTドコモビジネスの公式案内によると、Microsoft 365は2026年7月1日から、Business Basic・Business Standardを含む一部プランの価格改定を実施しました。セキュリティ機能の強化や、生成AI「Copilot」実装に伴う価値向上を反映した改定だとされています。Business Premiumは据え置きです。
この改定により、先ほどの比較表の通り、Business Standard同士でも月額で2倍以上の価格差が生まれています。ユーザー数が多い会社ほど、この差が年間コストに与える影響は無視できない規模。
Google Workspace側の料金プランの詳しい選び方は料金プラン比較の記事で解説しています。価格だけで判断せず、次に説明する自社の業務スタイルと照らし合わせて検討してください。
【実務での判断基準】情シス専任担当者がいない会社ほど意識したいポイント
ここからは、実際にご相談を受ける中で使っている判断基準を紹介します。
Google Workspaceの特徴は、やはりブラウザベースの作業環境にあります。外出先での作業やデータ共有、テレワーク環境の整備がしやすいというのが、私たちの実感です。加えて、Gmail・Googleドライブの導入から始めて、スプレッドシートやドキュメント、スライドを少しずつ使いこなしてもらう進め方は、情報システムの専任担当者がいない会社にこそ向いています。
- 取引先とのファイルのやり取りがOffice形式(Word・Excel・PowerPoint)中心か、それともメール添付やクラウド共有が中心か
- 社内に「困ったときに聞ける」情報システム担当者がいるか、いない場合は外部サポートを前提にするか
- テレワークや外出先での作業頻度が高いか、社内のPC1台に紐づいた作業が中心か
- AI機能(Gemini・Copilot)をどこまで業務に組み込みたいか
この4点のうち、Office形式のやり取りが多く、社内に使い慣れた担当者がいる会社は、Microsoft 365への慣れをそのまま活かせます。反対に、外出先での作業が多く、まずは手軽に始めたい会社には、Google Workspaceのブラウザ完結型の身軽さが合っています。
実際の導入企業がどのようにGoogle Workspaceを使いこなしているかは導入事例の記事でも紹介しています。あわせて参考にしてください。
併用や移行は可能?よくある疑問
「どちらか一方に絞らなければいけないのか」という質問もよくいただきます。
技術的には、Google WorkspaceとMicrosoft 365を同時に契約して併用すること自体は可能です。ただし、1人あたり2つのライセンス費用が発生するため、コスト面では非効率になりやすい組み合わせです。部署ごとに使うツールを分けるより、全社でどちらか一方に揃えたほうが、ファイル共有や問い合わせ対応もシンプルになります。
移行のしやすさについては、Google公式ヘルプの通り、Microsoft 365(Outlook)からGoogle Workspaceへメール・カレンダー・連絡先を移行する無償ツール「GWMMO」が用意されています。反対方向の移行は、データ量や環境によって必要な手順が変わるため、契約前に依頼先へ確認しておくと安心です。
当社(ちらし屋ドットコム)がおすすめする選び方
最後に、私たちなりの選び方の考え方をお伝えします。
マイクロソフトも日々進化していますが、私たちは、まずGmail・Googleドライブの導入・利用からスタートし、スプレッドシートやドキュメント、スライドへと少しずつ使いこなす範囲を広げていただく進め方を大切にしています。ブラウザだけで完結する身軽さは、情報システムの専任担当者がいない中小企業にとって、導入のハードルを大きく下げてくれる一番の武器です。
一方で、取引先とのやり取りがOffice文書中心で、社内にすでにMicrosoft製品の運用ノウハウが蓄積されている会社まで、無理にGoogle Workspaceへ揃える必要はありません。自社の業務の流れに寄り添った選択が、結果的に一番の近道です。
どちらが自社に合うか判断がつかない場合は、導入支援のご相談ページからお気軽にお問い合わせください。

よくある質問
まとめ
Google WorkspaceとMicrosoft 365は、料金・ストレージ・データの保存場所のいずれをとっても設計思想が異なります。2026年7月の価格改定によって、標準プラン同士の価格差はさらに広がりました。
とはいえ、選ぶべき基準は価格だけではありません。取引先とのやり取りの中心がOffice文書か、社内に頼れる担当者がいるか、テレワークの頻度はどれくらいか。この記事で紹介した判断基準を参考に、自社の業務スタイルに合ったサービスを選んでください。
判断に迷う場合や、実際の導入に向けた相談をしたい場合は、お気軽にご相談ください。
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